
■質問者
親が亡くなった後に多額の借金があることが判明した場合でも
相続しなければならないのでしょうか?
■すぎむら先生
原則としては預金や不動産などのプラスの財産を相続するのであれば
マイナスの財産も引き継ぐ責任があります。

これを単純承認と呼び基本的には全ての財産を相続するのが一般的です。
しかし父親に浪癖があったり連帯保証人になっている可能性があったりして信用できないケースもあります。
預金が100万円程度しかない一方で
それ以上の負債が後から発覚する恐れがある場合には限定承認という方法が有効です。
これは相続した100万円の範囲内でのみ債務を引き継ぎ
それを超える負債については放棄するという承認方法です。
さらに明らかに負債の方が多い場合や財産が全くない場合には相続放棄を選択できます。
相続放棄をすればプラスもマイナスも含めた一切の財産を相続しません。
■質問者
借金を放棄できるということですね。
期限や手続きの方法について教えてください。
■すぎむら先生
期限は自身が相続人であることを知った日から3ヶ月以内です。
この期間内に家庭裁判所へ放棄の申し立て手続きを行う必要があります。
裁判所から受理されたことで初めて放棄が認められるため必ず裁判所を通した手続きが必要です。
ただし親が亡くなったことを知らなかった場合など特別な事情がある際には配慮がなされます。
何も知らぬまま3ヶ月が経過して自動的に単純承認とみなされるのは相続人にとって酷な話です。

そのため相続人には単純承認と限定承認そして相続放棄という選択肢が与えられています。
疎遠で死亡の事実を知らなかった場合にはその事実を知った日から3ヶ月の猶予が与えられます。
これは裁判所側の柔軟な配慮と言えるでしょう。
■質問者
厳密に3ヶ月を1日でも過ぎたら手遅れというわけではなく柔軟性があるのですね。
■すぎむら先生
そうですね。
そもそも3ヶ月という期間は非常に短いです。

まずは資産や負債の状況を把握するための調査を行わなければなりません。
居住場所や賃貸借契約の有無さえ分からない状況から把握するのは大変な作業です。
仕事や家庭で忙しい時期に裁判所の手続きを行うのは非常にハードルが高いでしょう。
実務上では3ヶ月を超えていても正当な理由があれば受理される傾向にあります。
司法書士や弁護士に確認しても裁判所は事情を汲み取って柔軟に対応してくれる印象です。
ただし単に面倒で放置していたという理由では認められず3ヶ月のルールが厳格に適用されます。
相応の事情があれば柔軟に対応してもらえる可能性があります。



