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「うちは財産ないから関係ない」は本当か?

2025.10.14
生前の財産管理

「うちは財産ないから関係ない」は本当か?

「うちは財産なんてないから、相続なんて無縁ですよ」
そうおっしゃる方はとても多いのですが、実際に相続の現場に立っていると、その“思い込み”こそが大きなトラブルの原因になっているケースをよく見かけます。

相続問題は「お金持ちだけ」の話ではない

相続=お金持ちの家の話、というイメージがあるかもしれません。
たしかに、相続税が発生するのは全体の1割程度で、多くのご家庭には税金の支払いは生じません。
しかし、相続で問題になるのは「税金」だけではありません。

実際に現場で多いのは、次のような問題です。

現場でよく見る3つの問題

  • 「遺産分割」の問題
    「誰が、何を、どのように受け継ぐか」という承継の話です。法定相続分や遺留分といった民法上のルールを無視して遺言が書かれていた場合や、そもそも遺言書が存在しないケースでは、遺産分割協議が難航しやすくなります。
    特に、不動産など”分けづらい財産”があると、対立が深まる原因になります。
  • 生前の財産管理に関する問題
    高齢の親が認知症や脳血管疾患などで意思能力を失ってしまった後に、口座凍結や不動産売却の制限に直面し、「生活費が下ろせない」「施設に入れられない」と困るご家族は少なくありません。
    こうした財産凍結のリスクは、事前に対策をしていなければ誰にでも起こりうるのです。
  • 税金の問題
    もちろん、税金も大きな問題です。
    相続が発生してから初めて「相続税がどれくらいかかるのか?」を把握し、慌てて納税資金を用意するご家庭も少なくありません。
    特に不動産が多く、現金が少ないようなケースでは、納税のために急いで売却せざるを得なくなることもあります。

重要なのは「準備ができているかどうか」

このように、相続というのは「財産が多いか少ないか」ではなく、「準備ができているかどうか」が分かれ道になります。
たとえ財産が少なくても、不動産の名義変更や預金の解約には相続人全員の同意が必要ですし、誰かが生前に口座から引き出していた場合、それが”使い込み”として問題視されることもあります。

「うちは関係ない」と思う方にこそ必要な準備

だからこそ、「うちは関係ない」と思っている方にこそ、早めに財産の棚卸しと、話し合いの機会を持っていただきたいのです。

今できる準備を始めましょう

家族が安心して暮らせるように、今できる準備を少しずつ始めておきましょう

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「暮らしと相続」発行人 / 代表 相続コンサルタント

●プロフィール 岡山県出身。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 ●活動実績 年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 ●セミナー・講演活動 年間100回を超えるセミナー講演等を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。 ●事業展開・将来計画 2024年 実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。 2025年 自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 ●プライベート・その他の活動 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。(成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回) ●所属 株式会社デザインライフ 代表取締役 株式会社C-NECT 代表取締役 FC本部運営 - 相続コンサルタントFC「DL-CONSULTANT」 - 不動産コンサルタントFC「資産運用ミライ相談所」

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