銀行口座が凍結されたらどうなる?知らないと困る”死後の手続き”
身近な人が亡くなった直後、多くの方が戸惑うのが「銀行口座の扱い」です。
葬儀費用や公共料金の支払いなど、すぐにお金が必要になる一方で、「口座が凍結されて引き出せない」と焦るケースが後を絶ちません。
実際に、全国銀行協会の調査でも「家族の死後、預貯金の手続きが最も大変だった」という回答が最も多く、全体の6割を超えています(全国銀行協会「高齢社会における預金の相続手続に関する意識調査」より)。
口座凍結とは
銀行口座は、名義人が死亡した時点で自動的に”相続財産”となります。
そのため、銀行が死亡の事実を確認すると、預金の引き出しや振込といった取引がすべて停止されます。
これが「口座凍結」です。
これは不正な出金を防ぐための措置であり、法律上の手続きとして義務づけられています。
凍結後の対応
問題は、その後の対応です。
凍結された口座の預金を動かすには、相続人全員の同意を得て、必要書類を銀行に提出しなければなりません。
具体的には、「戸籍謄本」「相続関係説明図」「遺産分割協議書」などが求められます。
つまり、相続人同士の話し合いがまとまらない限り、預金は引き出せないのです。
緊急時の払い戻し制度
その一方で、現実には「葬儀費用を支払いたい」「公共料金の引き落としが止まった」など、すぐにお金が必要な場面が多くあります。
このような場合、銀行によっては「葬儀費用」「医療費」「公共料金」など、一定の目的に限り、相続人代表者への一部払い戻しを認める制度を設けています。
ただし、申請書の提出や領収書の提出が必要で、限度額(例えば100万円以内など)が設定されている場合がほとんどです。
したがって、緊急の支払いを想定し、事前に預金の管理や支払い方法を整理しておくことが重要です。
民事信託(家族信託)の活用
こうしたトラブルを防ぐために有効なのが、民事信託(家族信託)です。
あらかじめ本人(委託者)が家族(受託者)に財産の管理を託しておくことで、本人の死亡後も受託者名義でスムーズに手続きを継続できます。
これにより、銀行口座の凍結による支払い遅延や生活資金のストップを防ぐことができます。
特に、認知症の発症や入院などで意思能力が低下した場合にも、民事信託(家族信託)は非常に有効です。
その他の死後手続き
また、死亡後の手続き全体を見渡すと、銀行口座以外にも必要な対応が数多くあります。
代表的なものとして、年金の停止手続き、公共料金・携帯電話・保険契約の名義変更、クレジットカードの解約など。
これらを整理せずに放置すると、不要な請求が続いたり、遺族間で責任の押し付け合いが起きたりすることもあります。
生前からの準備が大切
死後の手続きは、精神的にも体力的にも大きな負担を伴います。
だからこそ、生前のうちから「どの口座に何が入っているか」「どの支払いを誰が担当しているか」を家族で共有しておくことが大切です。
最近では、相続コンサルタントが提供する「死後事務チェックリスト」や「エンディングノート」などを活用し、手続き漏れを防ぐ方も増えています。
相続は、亡くなった後に慌てて始めるものではありません。
“いざ”という時に困らないように、生前から整理・準備を進めておきましょう。
そして手続きの流れや必要書類に不安がある場合は、相続コンサルタントなどの専門家に相談しながら進めましょう。
出典:
全国銀行協会「高齢社会における預金の相続手続に関する意識調査」
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news310606_2.pdf
口座凍結や死後手続きでお困りの方へ
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