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【大損します】タワマン節税は相続税対策としてのヤバいです

すぎむら先生「相続専門チャンネル」

■質問者
先生、相続税の対策として一時期タワマン節税が流行りました。
タワマンを買い相続すると評価が低くなり資産を圧縮できるというものです。
それは今、改正されたというのは本当ですか?

■すぎむら先生
そうですね。
全部ではありませんが令和5年に改正がありました。

昔は相続税の計算をする時マンションの評価はほぼ建物でした。
建物は固定資産評価額で計算されます。

例えば1億円で建物を買うと固定資産評価額は5000万円程になります。
このように建物の税務上の評価はとても低いです。

もう1つは土地の評価です。
土地の評価は路線価で決まります。

路線価とは接道している道路の平米単価を国税庁が毎年7月に発表するものです。
その平米単価が出てマンションの敷地全体を一旦評価します。

ですがマンション1室の所有者は敷地全体の何分の何という権利を持っているだけです。
そのため割り戻して計算すると非常に低い数字になります。
これがまず前提としてあります。

一方で買う時の価格、つまり時価は税務上の評価と違い平米単価は一律ではありません。
タワマンは上の階に行けば行くほど高くなります。

そうすると1億円で買っても税務上の評価は2000万円や3000万円になります。
相続税の計算ではその3000万円の評価を使います。
7000万円程の資産が無くなったように見えます。

しかし売る時には1億円で売れるのです。
これを「含み益」と言います。

この含み益を狙って本来住まないのに節税目的だけで買う人が非常に増えました。

そこで国税が「それはおかしいのではないか」
「本当に住んでいるのか」「どうせすぐ売るのではないか」と問題視しました。

実際にすぐ売る人も多く裁判で負けてしまった人が出てきました。
結果「時価で計算しなさい」となり節税になりませんでした。

そのような事例があるのでマンションを買う時は本当に居住する目的が良いです。
節税目的のためだけに持つ資産ではないと考えています。

否定されてしまうこともあるので注意が必要だと思います。

■質問者
なるほど。
不動産価格はここ5年10年で都内のマンションも値上がりしました。
ですが最近は下がっている所もありますね。

■すぎむら先生
そうですね。
タワマンでなくても不動産の評価は基本的に乖離があります。
あえてタワマンを選ぶ必要はない気がします。

■質問者
なるほど。
タワマン節税と言われていた時よりも今はシビアになっているのですね。
あまり良い節税方法ではなくなった上にもしかしたら値下がりして損するかもしれません。
逆に何か良い不動産での相続税対策はありますか。

■すぎむら先生
そうですね。
換金性も見る必要はありますが収益系の不動産は節税効果があります。
評価の乖離も取れて家賃収入も得られます。

収支も合わせて考えられるので事業としての実態も作れます。
否認されることはないでしょう。

なので収益系の不動産の方が節税対策には向いていると思います。

■質問者
賃貸貸し出し用として1億か2億円くらいの収益不動産、
投資マンションのようなものがおすすめですか?

■すぎむら先生
そうですね。
最近では地方の戸建て物件も注目されています。
今、空き家が増えていますよね。
これを既存宅地と言います。

既に宅地になっている土地で空き家を解体して更地にします。
もし本当の更地ならインフラから工事をしなければなりません。

水道・ガス・電気などを敷地に引き込む工事が必要です。
それが無いと家を建てても使えません。

ですが既存宅地は元々家があったのでインフラ工事は終わっています。
後は建物を建てるだけです。

既存宅地を買って新築の戸建てを建てて賃貸するのが少し前から流行っています。
この方法が良いのは最終的な売却のしやすさです。

例えば1棟もののアパートだと最終的に買う人は投資家です。
投資家は収支を見るのでお買い得なものでキャッシュフローを得たいと考えます。
高くでは買いません。

なので安く売ることになります。
しかし戸建ての場合最終的に売る相手は中古住宅に住みたい一般の人です。

そうすると安売りしなくても時価で売れます。
流通性や換金性がそちらの方が安心安全という見方もできます。

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「暮らしと相続」発行人 / 代表 相続コンサルタント

●プロフィール 岡山県出身。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 ●活動実績 年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 ●セミナー・講演活動 年間100回を超えるセミナー講演等を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。 ●事業展開・将来計画 2024年 実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。 2025年 自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 ●プライベート・その他の活動 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。(成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回) ●所属 株式会社デザインライフ 代表取締役 株式会社C-NECT 代表取締役 FC本部運営 - 相続コンサルタントFC「DL-CONSULTANT」 - 不動産コンサルタントFC「資産運用ミライ相談所」

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