
■質問者
すぎむら先生!
親の生前に預金口座からお金を引き出してもいいのですか?
■すぎむら先生
親の意思確認ができる上で口座から引き出すなら問題ありません。
■質問者
許可なしに引き出すのは問題ですよね。
贈与税が無税になる金額はいくらですか?
■すぎむら先生
年間110万円まで無税で贈与できます。
年間110万円を超えると課税されます。
■質問者
贈与税が課税される金額はいくらですか?
■すぎむら先生
年間110万円を超えると10%課税されます。

■質問者
親の預金が1100万円の場合10年かけて年間110万円ずつもらえば課税されませんか?
■すぎむら先生
はい。
ただ、10年間毎年贈与する約束をすると単年で贈与したことと同じ扱いになります。
■質問者
定期的に110万円以内で贈与しても課税されてしまうのですね。
■すぎむら先生
最初に約束したかどうかが重要です。
例えば贈与の契約書を作り110万円を特定の時期に支払うと課税されてしまいます。
毎年贈与するかは分からないという状況で結果的に毎年110万円を贈与しても課税されません。
■質問者
そのようなパターンで生前に預金の贈与を受けるのは問題ないのですね。
■すぎむら先生
ただし注意点があります。
7年間加算されるというルールがあります。
相続人に対して行う110万円以内の贈与は無税ですがその後に贈与した人が亡くなった場合
亡くなった日から遡って過去7年間の贈与は課税対象になります。
■質問者
親が亡くなった後に口座から引き出すと問題がありますか?
■すぎむら先生
それは勝手に引き出したことになります。
亡くなる前に引き出した場合はキャッシュカードの暗証番号を知っていれば引き出せてしまいます。
それは誰も止められません。
それを引き出した後にトラブルになった場合は当然その点を追及されます。
遺産分割は亡くなった後に子どもたちが話し合います。
あったはずのお金がないとなった場合は誰が勝手に動かしたのかとなり揉める原因になります。
税務上は母親の生活費のために引き出したのであれば課税対象になりません。
私用で引き出せば課税対象になります。

■質問者
相続税が発生するのはいくらからですか?
■すぎむら先生
相続税には基礎控除というボーダーラインがあります。
3000万円+600万円×法定相続人の数です。
相続人3人×600万円+3000万円で4800万円が基礎控除です。
相続人3人の場合は4800万円まで相続税がかかりません。
■質問者
ボーダーラインを超えたらどれくらい相続税が発生しますか?
■すぎむら先生
ボーダーラインを超えた場合は10%から55%発生します。
計算は少し複雑ですが。
4800万円のボーダーラインがありそこに生命保険金などが財産として含まれている場合
非課税枠があるためボーダーラインが上がります。
相続人が受け取る保険金には500万円×法定相続人の数の非課税枠があります。
3人であれば1500万円ボーダーラインが上がります。
4800万円+1500万円で6300万円がボーダーラインになります。
法定相続人が子どもの場合仮分割を行います。
超えた金額が3000万円だとすると3人に1000万円ずつ分割します。
この仮分割した金額に対して税率をかけます。
1000万円であれば最低税率の10%です。
1000万円以上であれば別に控除があります。
そのような形で計算して総額が出ます。
■質問者
複雑なのでその時は先生に相談しますね(笑)
他にトラブルになりやすい預金に関する事例はありますか?

■すぎむら先生
名義預金です。
例えば生前に私が子どもの通帳を持っていてその通帳に勝手に1000万円を入金したとします。
そして私がその後に亡くなった場合
長男名義の通帳にある1000万円の預金は私のお金を置いているだけという扱いになります。
私の名義の預金ではありませんが財産が移転していません。
私が亡くなった時は私の財産として課税対象になります。
■質問者
安易に入金したり引き出したりすると相続でトラブルになりやすいのですね。
■すぎむら先生
よくあるのは配偶者のケースです。
配偶者が専業主婦の場合夫が働いて得た給料を妻が管理しているケースです。
妻が自分名義の口座で管理しているお金を自分の財産だと言い張る人が多いです。
専業主婦で所得の申告もないのに妻の預金が1億円あるのは不自然です。
それは夫の相続財産だと判断されるケースがあります。
一概に自分名義の財産だけを見ればいいのではありません。
お金の出所を基準にして考えなければいけません。



