
■質問者
夫が亡くなりそうなのですが
妻の私はどれぐらいまで相続税がかかるのですか?
■すぎむら先生
配偶者控除というものがあります。
ご主人が亡くなりその財産を全部配偶者が相続する場合
その時にかかる相続税を計算する際に配偶者控除が適用されます。
これには2つのパターンがあります。
1つは1億6000万円までです。
ここまでは配偶者が相続する場合
相続税はかからないというラインがあります。

■質問者
1億6000万円は無税で相続できるのですね。
■すぎむら先生
そうです。
■質問者
では1億6000万円以上
例えば夫が3億円持っていた場合
配偶者控除1億6000万円を引いた
残り1億4000万円に対してはどのぐらい相続税がかかるのですか?
■すぎむら先生
相続人が配偶者の他にいるかで計算式は変わります。
例えば配偶者だけで他に誰もいない場合
まず基礎控除がありますが3000万円+相続人の数×600万円です。
相続人1人なので基礎控除は3600万円です。
配偶者控除は計算式上は一番最後に行います。
まず財産3億円から基礎控除3600万円を差し引きます。
残りは2億6400万円です。
これに対する税率は相続税率45%です。
2億6400万円に0.45をかけ
そこから2700万円の控除があります。
すると9180万円の相続税がかかります。
■質問者
すごい額ですね。
まさに税金大国ですね。
■すぎむら先生
ここに配偶者控除が適用されます。
法定相続分か1億6000万円までのどちらか大きい方です。
資産を相続した場合1億6000万円までなら無税です。
もし法定相続分の方が大きければそちらを優先できます。
今回の話だと法定相続分は100%なので
配偶者が相続しても法定相続分3億円は無税です。

ただ子供がいると法定相続分は1/2になります。
すると1/2までは無税なので3億円の1/2で1億5000万円です。
その場合1億6000万円の控除の方が大きいのでそちらが優先されます。
その部分を割り出して相続税額から控除されるイメージです。
■質問者
遺言がない場合どのぐらいの割合で母親と子供は財産を引継ぐのですか?
■すぎむら先生
それは母親と子供で決めます。
割合に決まりはありません。
法律上は法定相続分という権利は与えられています。
しかし法律上は遺産分割協議という話し合いで決めるのが原則です。
■質問者
法定相続分はあくまで基準であって
絶対にそうしなければいけないわけではないのですね。
当事者で話し合ってどう分けるか決めるのが優先されるのですね。
基準はどのぐらいの割合なのですか?
■すぎむら先生
子供1人と配偶者1人なら1/2ずつです。
■質問者
1/2ずつなのですね。
妻が優先されるのではなく母親と子供で1/2ずつなのですね。
■すぎむら先生
そうです。
そのような権利があるという前提で話し合いをします。
■質問者
子供がいなくて財産が必要な場合
1億6000万円までは基本的には非課税だから
深く考えなくても相続税はかからないのですね。
■すぎむら先生
そうです。

例えば財産1億円のご主人が亡くなり子供と配偶者が1人ずついる場合
その1億円を配偶者が全部相続すれば
配偶者控除を使いその時点では相続税はかかりません。
しかし、次の相続では相続人は子供1人だけです。
そのまま1億円を相続する上に配偶者の財産も加算されます。
例えば配偶者が5000万円持っていたら
合計1億5000万円を子供1人で相続することになります。
すると相続税率が高くなります。
1億5000万円から基礎控除を差し引いた額を相続人の数で割ります。
1人なら全額2人なら1/2ずつです。
この数字に対して税率が決まります。
相続人が多い方が税率が低くなるので有利です。
配偶者を介した方がいいケース
二次相続で子供に渡すケース
直接子供が相続した方がいいケースがあります。
夫婦の資産状況や税率を先に計算してどちらが得か判断するということです。



