■質問者
すぎむら先生!相続の時の不動産とか土地の「評価」って、一律じゃないというか、めっちゃ明確な基準があるわけじゃないですよね?これ、損してる人も多いんじゃないかと思うんですけど、そこらへんどうなんですか?
■すぎむら先生
そうですね。
不動産の評価って、実はすごく複雑なんです。
まず、大きく分けて3種類の「価格」があると思ってください。
①「売買価格」。いわゆる普通の取引価格です。
②「税務上の評価」。相続税の計算などに使う基準ですね。
③「簿価(ぼか)」。決算書などに載っている償却後の残高です。
相続税の計算で使うのは、②の「税務上の評価」です。これは国税庁が「財産評価基本通達」というマニュアルを出していて、それに沿って計算します。
■質問者
マニュアルがあるなら、誰がやっても同じになりそうですけど……。
■すぎむら先生
それがそうでもないんですよ。本来、国税としては「時価」で評価してほしいんです。でも、税理士さんがみんな不動産のプロなわけじゃないから、「今の時価はいくら?」と聞かれても普通は分かりませんよね。人によって評価が変わると不平等なのでマニュアルがあるわけですが、その中には「土地の形状」や「大きさ」による修正が細かく決められています。
例えば、使いにくい三角形の土地だったり、目の前の道が極端に狭かったり。逆に、1,000平米を超えるような大きな土地だと、個人ではなく業者さんしか買わないので、造成費などの経費がかかる分、評価を落とせたりします。こうした修正要因をどれだけ正確に計算に入れるかで、時価に近い数字に持っていくんです。
それを一般の人が自分で計算するのは現実的ではない。普通は税理士さんにお願いします。
ただ、ここがポイントなんですが、税理士さんと言っても「相続税」が専門の方は実は少ないんです。税理士さんの仕事の8割、9割は、所得税や法人税の申告です。相続税は「資産そのもの」にかかる特殊な分野なので、先生によって得意・不得意がはっきり分かれます。
■質問者
頼む先生によって、納税額が変わってしまうということですか?
■すぎむら先生
変わります。細かい修正ルールに精通している人にお願いしないと、本来下げられるはずの評価が下がらず、高い税金を払うことになりかねません。裏事情を言うと、普通の税理士さんが受けた仕事を、裏で専門の税理士さんに外注しているケースもあるくらいです。過去の実績や、周りに相続専門のチームがいるかどうかを見極めるのがすごく大事ですね。
■質問者
もし、マニュアル通りの評価でも、実際の時価より高くなっちゃう場合はどうすればいいんですか?
■すぎむら先生
「評価額は1億円だけど、実際にはそんな額で売れないよ」というケースですね。そういう時は、「不動産鑑定士」という時価のプロに鑑定評価を依頼するのも一つの手です。崖地(がけち)などのイレギュラーな土地は、鑑定評価を入れた方が費用対効果が良くなることもあります。
いずれにせよ、まずは信頼できるコンサルタントや税理士さんにしっかり相談して、協議して決めていくのが一番です。それで税額は全然変わってきますから。
