土地の値上がりが相続を難しくする。これから必要なのは現金を増やす対策
土地の値上がりは、資産価値が増えるという意味では喜ばしい面があります。
ただ、相続という視点で見ると、喜んでばかりはいられません。
2026年7月、国税庁から新しい路線価が公表されました。全国の標準宅地の平均は前年より2.9%上昇し、5年連続の上昇。また、東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りは、1平方メートル当たり5,336万円となり、前年から11.0%上昇しています。
路線価が上がると、相続税評価額も上がる
路線価が上がれば、土地の相続税評価額も上がります。
財産の内容や家族構成が変わっていなくても、土地の評価額が上がったことで、相続税が増える可能性があります。
評価額が上がっても、現金が増えるわけではない
ここで注意したいのは、土地の評価額が上がっても、預貯金が増えるわけではないという点です。
たとえば、以前は5,000万円だった土地が7,000万円と評価されるようになっても、銀行口座に2,000万円が振り込まれるわけではありません。
相続税評価上の資産価値は増えているのに、相続税を支払うための現金は増えていない。
この差が、相続発生後に大きな問題になります。
土地価格の上昇は、遺産分割にも影響する
さらに、土地価格の上昇は遺産分割にも影響します。
主な財産が実家の土地建物と少額の預貯金だった場合、実家を引き継ぐ相続人と、預貯金を受け取る相続人との間で、取得する財産の差が大きくなります。
その差を調整するために代償金が必要になるケースもありますが、土地価格が上がれば、その代償金も増えていきます。
つまり、土地価格の上昇は、相続税の納税資金と、遺産分割のための代償金という二つの現金需要を同時に増やす可能性があります。
これからの相続対策で確認すべきこと
これからの相続対策では、節税だけでなく「現金が足りるか」を確認することが大切です。
不足する場合は、生命保険の活用、遊休不動産の売却、不動産収入の確保、資産の組み替え、遺言書の作成などを検討する必要があります。
土地を守るためにも、現金対策が必要
土地を守るためにも、現金が必要です。
路線価が上がっている今こそ、財産全体の価値だけでなく、将来必要になる現金を見直すタイミングです。
