■質問者
すぎむら先生!
親が亡くなった時、現代ならではの「デジタル遺品」と呼ばれるものですよね。
サブスクの月額課金とか、ネット証券、仮想通貨とか色々あると思うんですけど、
ここら辺はどのタイミングで把握して、どう解決したらいいんですか?
■すぎむら先生
そうですね、結構難しい問題です。
今私が相談を受けているケースだと70代80代の親御さんのことが多いので、まだデジタル遺品を持っていない人も多いです。
普通の地銀や信金、JA、郵便局といった、アナログな管理が多いですね。
ただ、今の50代60代の人が5年、10年、20年経った後とか、あるいは若くして亡くなっているケースでは、やっぱり結構問題になっているんですよ。
■質問者
特に何が一番困るんですか?
■すぎむら先生
特に困るのがスマホですね。
パスワードが分からないからロックされていて中身が見えないんです。
パスワードを解読することもできなくはないですが、かなり時間がかかります。
もしそういうケースが出てきたら、私の知人のホワイトハッカーに委託してやってもらうことになりますが、スマホが見えないとメールも見えませんよね。
デジタル遺品のやり取りは基本メールアドレスなので、それが分からないと本当に困っちゃいます。
■質問者
スマホが開かないと、SNSとかも手が出せないですよね。
■すぎむら先生
そうなんですよ、ログインできませんから。
最近は事前に設定をしておくと、もしもの時に別の人がログインして処理できる「追悼アカウント」のような設定ができるSNSもあります。
Facebookなんかはそういう設定ができますね。
■質問者
あと、ネット証券や暗号資産(仮想通貨)はどうですか?
■すぎむら先生
ネット口座やネット証券は今みなさん使っているので、かなり一般的になってきています。
これらは、どこの金融機関かさえ分かれば、相続人から申請して開示してもらうことができます。
戸籍一式と相続人である証明ができれば、他の銀行と同じように解約手続きができるので、そこはそんなに難しくありません。
ただ、「あるかないかが分からない」のが問題なんです。
通常の証券会社なら取引報告書が郵送で届きますが、ネット証券はログインしないと分かりませんから。
■質問者
存在に気づけないリスクがあるわけですね。
■すぎむら先生
そうです。
だから調査の段階で、アナログな口座の過去のお金の動きを見て「ここに送金しているからネット証券の口座があるな」と発覚することもあります。
暗号資産はさらに分かりにくいかもしれません。
でも、最後はメールアドレスやパスワードが分からなくても、金融機関名さえ分かれば法律上の手続きはちゃんとできます。
「大金が取り戻せなくなった」というケースは今のところそんなにありませんが、調査がしにくい財産であることは確かです。
■質問者
ちなみに、月額課金のサブスクとかはどうやって止めるんですか?
■すぎむら先生
サブスクなどは、クレジットカードの利用履歴を見たらなんとなく見えてきます。
基本はカードで支払っているケースが多いですから、クレジットカード自体を止めてしまえば自動的に課金もされなくなります。
そこはカードを止めるだけで事足りるのかなと思います。
■質問者
一番いいのは、どのタイミングでこれらを整理したり共有したりしておくことですか?
■すぎむら先生
やっぱり生前ですね。
本当に元気な時に、とにかく早く自分の財産を自分で把握できる体制をとる。
目録を作って、どこに何があってどういう会社と付き合いがあるかをちゃんと確認できるようにしておくことです。
実はうちの会社でも、そういう管理システムを無料で提供したりしています。
結局はログインが必要になるので、パスワードとメールアドレスさえあれば、スマホが開かなくても他のパソコンからアクセスできますからね。
そういった「パスワード帳」みたいなものを元気なうちから準備しておいてもらうのが一番いいのかなと思います。
