身近な人が亡くなった直後、多くの方が「何から始めればいいのか分からない」と不安になります。
実際、相続手続きは非常に多岐にわたり、期限があるものも少なくありません。
法務省や金融機関への手続き、税務申告、遺産分割協議など、やるべきことは数多くあります。
しかも、悲しみの中で進めなければならないため、精神的負担も大きいのが現実です。
まず最初に行うべきこと
相続が発生した直後、まず必要なのは「死亡届」の提出です。
通常は7日以内に市区町村へ提出します。
その後、
などの行政手続きが続きます。
この段階では、まず“生活を止めないこと”が優先です。
次に重要なのが「財産調査」
相続で最も重要なのが、財産の全体像を把握することです。
具体的には、
などを調査します。
ここで注意したいのは、「借金も相続される」という点です。
財産調査をしないまま相続を承認すると、後から負債が見つかるケースもあります。
また、相続発生後は「準確定申告」が必要になるケースもあります。
これは、亡くなった人の所得税申告を、相続人が代わりに行う手続きです。
たとえば、
などがある場合には、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に税務署へ申告・納税を行う必要があります。
そのため、預金や不動産だけでなく、収入状況や確定申告書類の確認も非常に重要になります。
通帳・郵便物・固定資産税通知書・保険証券・確定申告控えなどを確認しながら、一覧化していくことが大切です。
相続人を確定する
次に行うのが「相続人調査」です。
戸籍を出生まで遡って取得し、誰が法定相続人になるのかを確認します。
この作業を軽視すると、後から認識していなかった相続人が見つかり、遺産分割協議をやり直すケースもあります。
特に、
などがある場合は注意が必要です。
遺産分割協議へ進む
財産と相続人が確定したら、「誰が何を引き継ぐか」を決める遺産分割協議を行います。
この段階で揉めるケースが非常に多く、
など、感情面も含めた調整が必要になります。
話し合いがまとまったら、「遺産分割協議書」を作成し、不動産登記や預金解約などを進めていきます。
相続税申告には期限がある
相続税の申告・納税期限は「相続開始を知った日から10か月以内」です。
この期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生する可能性があります。
また、配偶者控除や小規模宅地等の特例などを使う場合でも、原則として期限内申告が必要です。
最近増えている「認知症相続」
最近特に増えているのが、認知症による財産凍結問題です。
親が認知症になったあと、口座が凍結され、介護費用や施設費用が支払えなくなるケースが増えています。
その対策として、元気なうちに民事信託(家族信託)を活用し、受託者名義で財産管理を行えるよう準備しておく家庭も増えています。
相続は「段取り」が重要
相続は、書類を整えれば終わるものではありません。
法律・税金・不動産・家族関係など、多くの要素が絡み合います。
だからこそ、「何を・いつまでに・どう進めるか」という段取りが非常に重要です。
慌てて動くより、まず全体像を整理し、一つひとつ進めていくことが大切です。
不安がある場合は、相続コンサルタントなどの専門家に相談しながら進めましょう。
早めの整理が、家族の安心につながります。
