■質問者
すぎむら先生!相続税とかの税制が今年からちょっと変わったっていう話を聞いたんですけど、本当なんですか?
■すぎむら先生
本当ですね。実は税制っていうのは毎年変わるんですよ。仕組みとしては、毎年12月の中旬以降に国税庁から「税制改正大綱」というものが発表されます。それに来年以降、どんな変更があるか、新しい割引制度ができるかといったことが書かれているんですね。僕ら専門家は12月にそれを勉強して、セミナーとかで「来年はこうなりますよ」って発信しているんです。

■質問者
毎年変わるのが前提なんですね。具体的に、今回はどんな風に変わったんですか?
■すぎむら先生
昨年の12月に発表された中で、一番相続に関係しそうなのが「不動産の相続税の節税対策」についてですね。今まで、収益不動産を建てたり買ったりすると、例えば1億円で買っても税務上の評価では5,000万円くらいまで圧縮できる効果があったんです。1億円に対して税金がかかるのと、5,000万円に対してかかるのとでは、納税額が全然違いますよね。この「取引価格」と「税務上の評価額」の乖離をみんな節税に利用していたわけです。
■質問者
それが使えなくなったということですか?

■すぎむら先生
あまりにも「節税のためだけ」にやる例が増えたので、税務署が改正に踏み切ったんですね。新しく「5年ルール」というものが発表されました。亡くなった日から遡って5年前までに買った収益不動産や建てた建物に関しては、取引価格を基準にもっと高く評価しなさい、となったんです。今まで5,000万円で済んでいた評価が、8,000万円くらいにしかならないといったイメージですね。
■質問者
じゃあ、もう不動産での節税は無理なんですか?
■すぎむら先生
いや、全てがダメなわけではありません。5年経過すれば今まで通りの評価に戻っていくとされていますし、もともと5年以上持っている土地を活用する地主さんのケースなら、今まで通りの評価でいけるみたいなんです。だから、「差し迫った状態で慌ててやるのはやめましょう」という話ですね。
■質問者
もっと計画的にやりなさい、ということですね。

■すぎむら先生
そうです。地主さんはある意味「事業主」なんですよ。いい土地を持っていて、そこで売上を立てないと相続税も払えないし、遺産分割もできなくなる。だったら早い段階から、いつ建てるか、いつ買うかというのを「事業戦略」として計画的に進めればいいんです。事業として収益を追求する中で、ついでに相続税という「経費」を削減しようという目線であれば、今回の改正もそこまで怖がる必要はありません。
■質問者
今回の税制改正で、慌てて準備する人は損をするかもしれないけれど、早めに動く分にはお得になる、という感じでしょうか?
■すぎむら先生
その通りです。自分たちが事業をしているという意識を持って、早めに仕組みを知っておく。キャッシュを残して、円滑な遺産分割や納税ができるように準備を始める。早く始めれば、特に大きな影響はないと私は思いますよ。
