■質問者
すぎむら先生、もし親が亡くなった時に親の銀行口座にお金があったとして、
すぐに引き出しちゃっても大丈夫なんですか?
■すぎむら先生
いいか悪いかで言ったら、基本はダメですね。
■質問者
例えば親の口座に2,000万円くらいあって、
それを自分の口座にすぐに移しちゃったら、どんな問題があるんですか?
■すぎむら先生
まず親族(他の相続人)から「なんで勝手に移動させたんだ」と詰められますね。
親が亡くなった後の預金というのは、相続人全員の「共有財産」になります。
誰が何をどれくらい受け取るかが遺産分割協議で決まる前に、一人で勝手に動かすと確実にトラブルになります。
■質問者
税金面ではどうなるんですか?
そのまま移動させたらペナルティや追及があるんでしょうか。
■すぎむら先生
親の財産であったことには変わりないので、2,000万円はそのまま相続財産として計上され、相続税が計算されます。
税額の総額自体が変わるわけではありませんが、勝手に動かして受け取った本人が、
その2,000万円に応じた相続税を当然払わなければいけなくなります。
■質問者
死後ではなくて、生前に「親もあと5年〜10年かな」と思って、
親の口座からちまちまお金を引き出していた場合はどうなるんですか?
■すぎむら先生
それは「贈与」が成立していたかどうかによりますね。
親が元気な時に自ら「あげるよ」と言い、お互いに合意があったなら贈与です。
年間110万円以下であれば非課税で問題ありません。
■質問者
親の意向がなく、勝手にキャッシュカードで引き出していた場合は?
■すぎむら先生
親の同意がない引き出しは贈与になりません。
贈与はお互いの合意に基づく「契約」だからです。
合意がないのに勝手に1,000万円引き出していた場合、
法律上は「親が子どもに対して1,000万円の返還請求権(債権)を持っていた」という扱いになります。
つまり、現金が減っていても親の財産(1,000万円の債権)として相続税の課税対象になりますし、
他の相続人から「その1,000万円を返しなさい」と言われるか、すでに受け取ったものとして遺産分割協議をすることになります。
■質問者
勝手に引き出した1,000万円に対して贈与税がかかるわけではないんですね。
■すぎむら先生
贈与契約が成立していないので贈与税はかかりません。
一番綺麗な言い方をすれば「借りていた」、悪く言えば「勝手に持ち去った(泥棒のような状態)」ということです。
■質問者
そうやって勝手にお金を動かしていたのって、税務調査とかでバレちゃうものなんですか?
■すぎむら先生
ほぼ間違いなくバレますね。
相続人であれば、銀行で過去10年分の取引明細を簡単に取得できますから、
いつ・いくら・どこへ引き出されたかは一目瞭然です。
ですから、親のお金をこっそり引き出すのは絶対にやめてください。
もし親のために医療費や施設代を下ろして使うのであれば、
必ず領収書や帳簿を残して、後から周りに証明できるようにしておくことが大切ですよ。

