■質問者
すぎむら先生、親の死って突然だったり、ある程度見えてくることもあると思うんですけど、
亡くなった時に多くの人が後悔するポイントって何かあったりするんですか?
■すぎむら先生
もちろん親孝行をしておけばよかったなといった話もありますが、
我々がお手伝いしている相続手続きの視点から言うと、
まずは「葬儀社やご遺体の安置場所、お寺さんをどこにするか」ですね。
亡くなった直後はみんな慣れていませんし、何よりパニックになっていますから、
事前に連絡先や担当者が分かっていればすごくスムーズだったな、と後悔する人は多いです。
■質問者
確かに、お葬式周りの手配は言われるがままになっちゃいそうです。
■すぎむら先生
あとは「お墓」ですね。
「本当にしまっていいのか」
「どこのお寺さんでお祓いや供養を頼むか」
「骨壺をどこに納骨するか(永代供養にするか)」など、
亡くなった後にゼロから選び始めるのはすごく大変で、選択肢も狭まってしまいます。
これも事前に話し合っておきたかったポイントとしてよく出てきます。
そして何より、「資産をどうするか」ですね。
■質問者
やっぱりお金や不動産などの資産の分け方ですね。
■すぎむら先生
そうです。
特に「実家をどうするのか」は全員共通で事前にはっきりしておきたいところです。
売るのか、誰が引き継いで名義人になるのか、誰が管理や活用をするのか。
他にも農地や山林、収益不動産などがあれば、誰がどう管理処分するのかは生前に議論しておくべきです。
もし個人事業や会社をやられているなら、
事業の後始末や後継者(M&Aするのか、社員や親族に引き継ぐのか、自社株を誰に相続させるのか)の話も必須ですね。
■質問者
どれも話し合いがないと、残された子どもたちで揉めてしまいそうですね。
■すぎむら先生
そうなんです。
「やっぱり遺言書を作っておいてもらえばよかった」と後悔する人は本当に多いです。
遺言書があれば、誰が何をどれくらい取得するかの「マニュアル」があるようなものですから、
話し合いをせずにその通り名義変更や手続きを進められますし、亡くなった親の意向も伝わります。
■質問者
遺言書があると親の思いも分かって納得感がありますね。
■すぎむら先生
一番丁寧なのは、遺言書(付言事項)や別添えの手紙で「なぜこういう分け方にしたのか」という思いを残しておくことです。
公正証書遺言を保管する場所に手紙を添えておけば、手紙の方はいつでも書き直せますしね。
あと、意外と後悔するポイントで多いのが「生命保険の受取人指定」です。
保険金の受取人は、亡くなった後では変更できません。例えば「受取人がお母さん(妻)」のままになっていて、
そのお母さんが亡くなった時には認知症になっていて請求できない……といったトラブルも発生します。
せっかく準備していた資産や保険がスムーズに使えないと困ってしまいますから、
生きているうちにしっかり話し合いをして、後悔のないように準備しておくことが大切ですね。

